発酵食品と酵素サプリメントと酵素ドリンクの話題と効果など

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酵素とは?

   

酵素とは

酵素とは生体内の化学反応を促進する触媒のことである。私達は食品、特に生野菜などを食することで酵素を体内に取り込み、消化吸収や排泄、代謝等の働きの一助にしていると言われている。
酵素はエンザイム enzymeとも呼ばれる。これを命名したのはドイツのウィルヘルム・キューネ(一八三七~一九〇〇。ドイツハンブルク出身。光学、眼科学の先駆者としても高名)である。それ以前にも、細菌学の権威、パスツール(一八二二~一八九五。フランスの医学者)が発酵における酵母と酵素の働きを詳細に観察し、ワインなどの腐敗を防ぐための低温殺菌法をクロード・ベルナール(一八一三~一八七八。フランスの医学者。今でも彼の名を冠した病院はエイズ等の感染症の治療を精力的に行っていることで有名)と共に生み出した。彼は研究熱心な生化学者であったと同時に世情にあまり通じていないところもあったようで、博物学者として高名なアンリ・ファーブル(『昆虫記』の作者)の家を訪れた(蚕の病気を防ぐ研究を当時パスツールはしていたので、昆虫の生態に詳しいファーブルを訪ねたのである)際に、「御宅のワイン蔵はどこですかな」と聞き、ファーブルを苛立たせたと言うエピソードがある。当時ワイン蔵を所有できるのは富裕層のみで、貧しいファーブルの家には林檎を自然に発酵させてアルコールを作るための小さな樽しかなかったからである。彼らの研究は、酵母なしに発酵が起きる現象を研究したブフナーなどに引き継がれ、その生化学の研究の成果は酵素サプリメントをはじめ、様々な健康食品に応用されている。

私達の身体と酵素

私達の身体には約三千種類(酵素の研究が始まったころ確認された数は七百十二であった)近くの酵素が存在し、様々な生体の反応を助けている。わけても有名なのが、アミラーゼに代表される消化の働きを司る酵素である。これらは脂肪、タンパク質、でんぷんなどを水分子と反応させて分解するので加水分解酵素と呼ばれている。また、私たちは口や鼻、皮膚等で酸素を取り込み、血液に乗せて細胞内に運び、不要物である二酸化炭素を受け取って体外に排出する呼吸をエネルギー代謝の基礎としている。この際に働く酵素にチトクローム等の酸化還元酵素やピルビン酸脱炭酸酵素と言った脱炭酸酵素と言ったものが挙げられると言う。酸化とは、物質が酸素と結合する反応で、金属の場合、俗に錆びると言う状態だ。食べ物の場合は酸化すると酸っぱくなるが、糠漬けやヨーグルトなど発酵食品はこの酸化還元酵素の酸化の働きを利用して独特の風味を出している。酸化することで酸に弱い菌への対抗性を持つことができるが、中には通用しない菌もいる。逆に酸素が他の物質の分子から引きはがされる反応を還元作用と言う。銅の酸化物は緑青と呼ばれ十円玉の上などによく付着しているが、これにタバスコをかけると元の赤銅色に戻り、ピカピカになる。この還元作用を利用すると、私達の体内や体表のたんぱく質が酸化して放つ悪臭や腐敗ガスを浄化することができると言われている。私たちは食品から酵素を取り込み、体内で利用しているが、食物内の酵素は酸や熱に弱いのでなかなかすべてを利用しきれないとも言われている。

酵素の働き

酵素とは一種の触媒である。触媒とは自身は化学的性質を変えずに、他の物質同士の結合等の化学反応を促し、増幅する物質のことである。ドイツ語のKatalysatorが触媒の語源で、英語ではcatalyzer、catalyst(触媒の意だが、正式な使い方は触発者。物事の動きを引き起こし先導する人のこと)作用を示すときはcatalysisと綴り、これは誘因と言う意味でも用いられる。同様の派生語にcatalyze (動詞形。触媒作用を及ぼす)等があり、cataと言う接頭辞は下方に、反して、後にと言う意味を持ち、対義の接頭辞はana(上に、完全に)である。Catabolismは生物学の異化作用を示す語で、異化作用とは糖質などを分解してエネルギーを取り出すための生体内の作用、すなわち代謝の一過程のことである。この異化で生成されたエネルギーを消費して先にあげた対義語の、Anabolism、同化作用が起こる。これは物質をバラバラにする異化とは逆に、分子を繋ぎ合わせ、組織を形成する働きで、私達の身体の成長や、傷の修復には欠かせない作用のひとつである。この分解と組み立てには生体内に存在する触媒である酵素が大きく関わっていると言われている。私達ヒトだけではなく、すべての生物の中に酵素は存在し、何らかの形で摂取したエネルギーの原材料を消化、吸収、そしてエネルギーに変換し、不要物を排泄する生物特有の反応を助けていると言われている。
通常、熱や強酸と接触すると、酵素は力を失って(失活して)しまうので胃酸などが分泌される人の消化器官内を通過するのは難しいとされているが中には、熱と酸に強く酵素もあり、形状を変えれば過酷な環境にも耐えることができるそうである。

酵素と菌

ごく小さく、人が生存できないような環境でも活発に動ける生命体のひとつに菌類がいる。私達は菌類の織り成す分解や発酵の働きに助けられ生活をしている。ふっくらとしたパン、黄金色に輝くビール、トロリととろけるチーズ、これらは発酵と言う働きがなければ食べることができないものだ。菌類は時に腐敗など私達にとって困った事をすることもあるが、腐敗がなければ、物質はいつまでも残って世界はゴミだらけになってしまう。菌類はいわば、世界最小の掃除屋なのである。
腐敗と発酵の違いは実に微妙な定義であるが、一般に食べ物などが化学変化を起こして食味が向上したり、保存がしやすくなったり人体に有益な働きをするようになるようになることが発酵、臭気を放つ、脆くなる、融解する、食べると害が出る等の悪影響を及ぼすのが腐敗であると言われている。
有益な反応である発酵を促す真菌類は俗に酵母と呼ばれる。ヨーグルトやチーズを作る手助けをする乳酸菌、醤油や味噌や酒を造る手助けをしてくれる麹菌など様々な種類がある。
さて、ここでいくつかの疑問が出てくる。この酵母と酵素は同じ文字を使うが、どう違うのだろう。世間には酵母を使ったサプリメントもあるが酵素サプリメントと働きは同じなのだろうか。そう思う方も少なくないだろう。結論から言うと、両者は全くの別物だ。酵母はあくまでも生物であり、その体内にある酵素を使って麦や米、乳製品内の成分を分解していると言われている。菌類も酵素を使って栄養を取っているという点では私達も変わりがないのである。

発酵と酵素

前項で菌類が酵素を使って発酵を促していると書いた。私達が行う呼吸と並んで、発酵は生物が他の物質から生活に必要なエネルギーを得る時に(私達ならば酸素を使って炭水化物を燃焼させて熱を生じさせる等)不要になったもの、(先の例に対にするのならば燃焼の残骸である二酸化炭素等)を捨てるために必要な行為であると言われている。さらに植物が行う光合成を加えると生物が行う基本的な三つの代謝つまり、物質を変化させてエネルギーを生み出す働きの代表例がそろうことになる。
発酵は酵母と呼ばれる真菌類たとえば納豆菌等が酵素を使って行う作用だと思われがちだが、実を言うと他の生物を介在させずに自ら持つ酵素で発酵してしまうものもある。私達が日常よく飲んでいる茶の類がそれである。カメリアシネンシス、つまりは茶の葉の加工物には全く発酵していない緑茶、ごく浅い発酵をさせた白茶(白牡丹等)黄茶(加工後に発酵させる)、発酵を中ほどで止めた青茶(ウーロン茶がこの仲間)、完全に発酵させきった紅茶、加工してから発酵させる後発酵茶で最も発酵が強い黒茶(プーアル茶がこの仲間)などがあり、字面の通り抽出液の色も香味も全く異なる。後発酵茶の場合は麹菌などを植え付けて発酵させるが、青茶や紅茶の場合は全く酵母を足さずとも勝手に(摘んで積み上げたはしから変色してしまう)発酵する。茶を発酵させる酵母ポリフェノールオキシダーゼは熱に弱いので発酵を止めるには炒ったり蒸したりする(殺青する)必要があるが、そのタイミングによって茶の性質が決まってしまうので大事な工程である。

消化機能と酵素

突然だが、大根は我が国の誇る根菜である。煮物やサラダ等料理の主役を張るほか、すりおろし、つまりは大根おろしとして薬味にもなる。読者諸氏も魚やそばに添えて召し上がったことがお有りだろう。また、刺身には大根を細切りにしたツマを必ず添える。これらは単なる飾りや食味向上の為に添えるものではない。薬味は食中毒の防止や消化促進のために添えるものであるからだ。生の大根には消化を促す酵素であるアミラーゼや、リパーゼなどが多く含まれている。私達は食物をそのままではエネルギーにできず、消化吸収を経てようやく熱量生成の燃料にしている。私達の口腔内に入った時から酵素は働き始め、排泄に到るまで胃や腸内の様々な酵素が多種多様な形で食物の成分を分解、酸化還元していく。消化をするのは胃だけではない。最初に働くのは唾液に含まれるアミラーゼと言う酵素であると言われている。私たちは食べ物を丸のみせずに咀嚼して飲み込む。噛むと言う行為には食べ物を小さくして飲み込みやすくする意図と同時に、唾液を食物に絡ませて、アミラーゼの働きをよくする意図もあり、酵素の存在と言う面では口は胃とつながる最初の消化器官であると言える。
歳をとると、消化不良に陥り食欲が衰えがちだが、これは単純に胃腸の働きが弱ったためだけに起ることではないそうだ。歯が衰え、顎の力が衰え、十分に噛めなくなったことで唾液の分泌が減り、口腔内での消化準備が行えなくなるために栄養が取れず元気をなくしているお年寄りが多いとも言われている。消化酵素の働きをよくすることで栄養失調が改善するケースもあるそうである。

酵素はどこで働く?

酵素は私たちの体の中で起きる化学反応に関わる触媒である。神経伝達物質であるドーパミンは私達に楽しい、快いと言う情動を与え、積極的な活動をする誘因になる物質だと言われている。このドーパミンはチロシン等のたんぱく質を化学変化(チロシン水酸化酵素)させてLドーパという物質を作り、そこにドーパミン脱炭酸酵素(脱炭酸酵素とは二酸化炭素を物質から引っぺがす酵素のこと)が働いてドーパミンを作りだしているとされる。
しかし、口から摂取した酵素を血流に乗せて脳まで運ぶことはなかなか難しい。酵素サプリメントの成分が働くのは主に消化器官や解毒を司る肝臓などだと言われている。通常、経口摂取された食品の成分は小腸によって吸収され全身を心臓の送りだす血液に乗って運ばれ、細胞に吸収される。小腸の壁には絨毛と呼ばれる細かいビロードのような襞が無数にあると言われているが、これは食物と接する面積を増やして栄養を余すことなく摂取するための構造である。
酵素はとても繊細な物質で、強酸(特に胃が難所。乳酸を生成する乳酸菌とは大変相性が悪いため、同時に働かせようとしても、双方が失活してしまうと言われている。ただし、酵素によっては酸に強いものもある)と熱(加熱調理すると失活する)に弱い。また、時間が経てば経つほど、働きが弱まっていく性質がある。そのため、サプリメントとして摂取する場合は、酵素がどのような形で消化器官を通過して吸収されるかを鑑みて製品を選ぶ必要があるそうだ。

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